奇貨を読んだ感想やどんな人におすすめなのかを紹介!映画化やドラマ化の可能性は?

 

こんにちは。

みなさんは奇貨という小説をご存じですか。

奇貨は個性的で繊細なキャラクターたちが織りなす日常を描いた物語です。

性格や境遇も対照的な二人が一緒に生活をし、互いの価値観や生き方に影響を与え合っていく。

ということで、この記事では奇貨を読んだ感想やどんな人におすすめなのかについて、ご紹介します。

最後までゆっくりとご覧になってください。

奇貨を読んだ感想について

本田の初めての恋愛が、17歳のときに文芸部の先輩と始まったというエピソードは、青春らしさが溢れていて微笑ましいです。

バレンタインにチョコをもらったり、喫茶店で語り合ったりと、高校生ならではの甘酸っぱい日々が思い浮かびます。

それだけに、先輩が卒業後に大阪の大学へ進学してからは音信不通になってしまったという結末は、少し切ない気持ちになりました。

そんな先輩が残していった「私小説作家にでもなったら」という軽い一言が、本田の人生の大きな転機になったのが印象的です。

そのアドバイスを受けて、就職や進学をせずに筆一本で生きていこうと決意する本田の覚悟には感心しました。

ただ、「私小説」とは名ばかりで、彼の作品に実体験が伴っていないところが本田の弱点。

恋愛や別れといった人生の大きな感情を避けてきた彼の生き方が、彼の創作にも影響しているのが興味深いです。

一方で、そんな本田とは対照的な七島美野の姿には感銘を受けました。

彼女は好きになった相手が同性であろうと、全力でぶつかっていき、傷つくことを恐れない潔さを持っています。

本田が文壇や読者の評価ばかりを気にしているのに対し、美野の生き様はとても輝いて見えました。

本田にはぜひ、彼女からその勇気を学んでほしいと感じます。

そして、そんな性格が正反対な二人が、ひょんなことから同居生活を始める展開には驚きました。

お互いを「シェアメイト」と呼び合いながら、性別や恋愛感情を超えた戦友のような絆を築いていく姿がとても感動的で、読後には心が温まりました。

奇貨の映画化やドラマ化の可能性は?

「奇貨」はこれまでのところドラマ化されていません、

今後の映画化についても未定。

基本的に物語はマンションの一室から会話によって進行していくため、舞台や戯曲のほうが向いているのかもしれません。

女性にたいして性的な感情を抱いたことがないという本田、「レズビアン」をカミングアウトしている七島。

近年ではLGBTへの理解が深まっているとはいえまだまだ道半ば、本作のキャラクター造形が受け入れられるまでにはもう少し時間がかかるでしょう。

奇貨を読んでいてほしい人は?

男性が外で働き、女性が家事に専念するという昔ながらの考え方は、現代日本でも根強く残っていると言われていますが、この本を読んで、その固定観念を覆してみてはいかがでしょう。

本田と美野が約3年間暮らしているのは、2LDKに納屋付きの賃貸マンション。

45歳に差し掛かる本田と、35歳の美野。

2人の関係を「同居なのか?」「恋人同士なのか?」「結婚しているのか?」と、ご近所さんがいろいろ想像を巡らせるのも仕方がないことでしょう。

周囲の憶測を気にせず、自信に満ちたスタイルで朝早くから出勤する美野の姿は凛々しく、とても魅力的です。

一方で本田は、自称「貧乏な作家」として、基本的に部屋にこもり執筆に励む毎日。

しかし、そんな彼が、美野が洗濯機に残していった衣類を干して、きれいに畳む気配りを見せるシーンには心が和みます。

さらに、美野が健康管理のため外食を控えていることを気にかけて、本田がGI値を考慮した手料理を用意する姿は、二人の共同生活の温かさを象徴しています。

その料理は健康的で美味しそうで、読者の想像を掻き立てます。

この物語を通じて、従来の役割分担のイメージを払拭する新しいパートナーシップの形が見えてくるはずです。

松浦理英子のプロフィールや経歴について

松浦理英子さんのプロフィールや経歴についてご紹介します。

  • 名前:松浦理英子
  • 本名:ペンネームと同じ
  • 年齢:66歳(2024年11月現在)
  • 生年月日:1958年87日
  • 出身:愛媛県松山市
  • 身長・血液型:非公表

小学校1年生の頃から童話や絵本を書きはじめて、マンガ家やミュージシャンにも憧れがあったという松浦さん。

小説家を志すものの体力には自信がなく1日4ページが限度、出版社からは特に締め切りを迫られることもなくマイペースに執筆活動を続けていました。

初期作品集「葬儀の日」は芥川賞候補に、「ナチュラル・ウーマン」は野村誠一監督によって2010年劇場公開に。

舞踏家リンゼイ・ケンプのファン、来日公演のときに編集者を通じて知り合った宗教人類学者・植島啓司教授とも交流が続いています。

常に見られ・愛玩される立場に置かれている女子学生たち、組織に奉仕しながらも不本意な役割を押し付けられている社会人たち。

共同体の中でマイナーとされている人たちのへの、生きるエネルギーとなるような小説が今後の目標だそうです。

松浦理英子の代表作品

松浦理英子さんの代表作品についてお伝えします。

最愛の子ども

裏ヴァージョン

犬身

まとめ

『奇貨』は、人生の葛藤や多様な関係性を丁寧に描いた作品で、読者に新しい視点を提供します。

本田と美野という正反対の性格を持つ二人が、同じ空間で過ごしながら互いに影響し合う様子は、人間関係の可能性を感じさせます。

特に、性別や役割分担を超えた「共同体」としての彼らの生活は、従来の固定観念を覆すものです。

読後には、温かい気持ちと、個々の多様性への理解が深まるはずです。

社会の枠にとらわれず、新しいパートナーシップを考えたい人にぜひ読んでほしい一冊です。

今日も最後までご覧いただきありがとうございます。

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